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わかりやすいメッセージ vs 価値のあるメッセージ

更新日:2019年1月23日


 ビジネスでは話し手のもつ思いや情報を、聞き手にわかりやすく伝えることが肝要です。

 わかりやすいメッセージは「簡潔」かつ「明快」です。短いメッセージが簡潔であるわけではありません。「簡潔」であるとはメッセージの道筋が1つしかないことです。あっちに飛び、こっちにいき、をしない。単刀直入といってもよいと思います。そして「明快」であるとは一義的であるということです。玉虫色の話をしない。誰が聴いても一意に解釈できる。

 人はある事案の当事者になると、それを論理的に理解し、判断しようとします。論理とは、論拠となる前提や仮定、あるいは事実や根拠と、そこから得た洞察やアイデア、結論などとの間の因果関係を解明する道筋です。この道筋が「簡潔」かつ「明快」なメッセージが論理的なメッセージなのです。

 物事の因果関係を簡潔かつ明快に示すことで、聞き手の論理的な理解は容易になります。だたし、論理的に理解はできても、「納得」できるとはかぎりません。理解ができ、論理的に判断はできても「納得」できなければ人は意思決定をしません。「納得」できてはじめて、人は意思決定をし、行動に移すのです。

 この納得感は論理とは少し別の次元になります。論理的に理解はできてもなんとなく納得できない。その理由は最終的な意思決定は聞き手の価値観や心情、信念、使命感や志といった聞き手個人の内的要素に大きく依存しているからです。この内的要素が話し手からのメッセージに共鳴してはじめて「納得」でき、意思決定をして行動に移すことができるのです。この聞き手の「納得」を勝ちとるには、簡潔・明快な論理を超えた聞き手の感性に迫るメッセージが必要になります。それが価値のあるメッセージです。

 したがって問題は、わかりやすいメッセージから価値のあるメッセージへどうやって昇華させるかです。これについては別の機会に改めてご紹介していきたいと思います。

 
 
 

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